お正月とは日本古来のご先祖様を敬う祖霊信仰と結びついています。
年の初めに天からそれぞれの家に降りてくる「歳神様(としがみさま)」をお迎えし、五穀豊饒を願う行事で、飾り付けや習慣にもそれぞれそのことに関係したいろいろな意味があります。歳神様は若年さんや年徳様とも呼ばれ昔の日本に関係の深い穀物霊、つまり農耕の神様です。
「日本人は12月25日からたった5日間でキリスト教→仏教(年末の除夜の鐘)→神道を通過する」なんてちょっとイジワルなことを言われたりもしますが、もともと万物に神が存在する八百万(やおよろず)の神を信仰する日本人なら当然のこと。そのベースにはご先祖様を敬う気持ち、これは意識的か無意識にかかわらずほとんどの日本人は持っている感覚といえるようです。
また、日本人と農耕は切っても切れない関係、お正月はその点からいうと最も日本人らしい行事といえるかもしれません。初詣ももともとは氏神様の祀られた神社にお詣りしてご先祖様のご加護を願うものだったそうです。
2 正月の行事・風物
門松と注連飾り(しめかざり)
門松は歳神(様々な福をもたらす神)を迎えるための憑代(よりしろ)である。常緑の松は強い生命力の象徴であり、不老長寿の象徴である。地方によっては松に代わって榊、竹、椿などを用いることもあるが、いずれも常緑という点で「長寿の象徴」ということに代わりはないようである。
門松は年末に飾り、歳神を迎え正月六日(あるいは七日)にこれを外すことから、この日までを松の内という。この間、家に飾った門松に歳神が宿っているのであるから、神の宿る聖なる場所として俗界との境界に注連縄を張る訳であるが、それが正月の注連飾りの原型である。
みんなきちんと意味のあるものなのである(書いていて自分で感心してしまった)。
お年玉と鏡餅
大晦日に訪れた歳神は、人々に新たな生命力・福をもたらす。この生命力・福を「魂」といい、歳神によって与えられる魂なので「歳魂(としだま)」と言う。さて、この歳魂を具現化したものが餅(それも丸い餅)。
丸餅を神棚に祭り、歳神の霊力(歳魂)をその丸餅に得、これを家人一人一人に分け与えて食し、霊力を体に取り込むという考えがあり、これが「お年玉」の元ではないかと言われる。
鏡餅に関しては、「神棚に祭った丸餅」が始まり。そのうち、いろんな縁起物を添えて今の形に。
お節料理
「お節(おせち)」といえば、今では正月の料理という意味で使われることが多いこの言葉、元々は「御節供(おせっく)」の略。季節の節目に神に供えるものということで「節供」である(今は節句と書くことが多いが、本来は節供)。
お節料理は三が日あるいは松の内までに大切な人を招いてもてなす料理でもあり、この饗応自体を「お節」あるいは、「お節振舞」と言ったそうだ。
お節料理は、目出度い材料を用いた「晴れの料理」。また、火を使わないで食べることの出来る料理でもあり、年中忙しい竈の神様と女性を休めるための料理とも言われるが、その辺の感覚は薄らいできたようにおもう(どうかな?)。
七草
「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」と並ぶ春の七草。正月七日には、この七草を炊き込んだ七草粥食べると無病息災で一年を過ごせるとか。
ここから先は「人日の節供」で書くことにしよう(まだ書いてない・・・)。
注:その後、無事に書きました。こちらから読めます。
小正月(公の正月と民間の正月)
元日から十四日までを「大正月」、十五日からを「小正月」と呼ぶことがある。
都市部では大分廃れてきているが、地方では小正月の行事がかなり残っているようである。この小正月、どうやら古代の正月の名残らしい。
小正月は別名女正月とも言われ、年末年始忙しくたち働いた女性たちのための行事とも言われる。
小正月については、いろいろとおもしろい話しもあるので、また別の機会に一話書いてみようと思う。詳しくはそのときに。
盆と正月
「盆と正月が一緒に来たよう」という言葉があるが、まさに盆と正月は日本の年中行事の双璧をなす重要行事。そして、実は双子の様な行事なのです。
小正月の項で書いたように、古い正月は1月15日。そしてお盆は7月15日(旧暦)。
ちょうど半年を隔てた日付で、行事の内容も大変類似したものが多い。現在では盆は仏教色が強く、正月は神道色の強い行事となっているが、これは仏教が広がって以後のことで、昔はどちらも先祖の霊を祭る大切な行事。今でも正月に墓参りをする地方は多い。
