<第7回> 「好きじゃなきゃ、生きていけない」
薬の副作用が、真生(深田恭子)に出始めた。一方、啓吾(金城武)は、真生との関係がマスコミに取り沙汰され、新曲発売が頓挫、その上、真生が受けた取材がもとで、週刊誌に二人の関係が興味本位に取り上げられ、所属事務所にもいられなくなる。
真生がHIV感染を宣言したことを、父、義郎(平田満)は「病気と戦うことと、言いふらすことは違うんだ!」と、真生を強く叱った。悟(佐々木和徳)が自分のせいでカツ上げされるを目撃した真生は、心からすまないことをしたと思うのだった。
窮地に立った啓吾は、アメリカで出直す覚悟を固めた。そんな啓吾に、カヲル(仲間由紀恵)は未練がましく迫るが、啓吾は相手にしない。真生も週刊誌を読み、啓吾や家族にかけた迷惑に、心苦しい。そんな真生を弥栄子(田中好子)は「好きな人がいて良かった。その気持ちを大切にして」と、励ますが、立ち聞きした義郎は、愛人との関係のことと誤解し、家を出る。真生のHIV感染は家庭崩壊を招くことに。
母に励まされ啓吾の役に立とう音楽出版社を訪ねた真生は副作用のせいで倒れた。最後のコンサートのリハーサル中だった啓吾はそれを聞き、カヲルの制止をよそに、真生の家へ向かった。そのころ、気分の良くなった真生は、見舞いに来たイサム(加藤晴彦)に手伝わせ、啓吾の曲をかけてくれるようラジオ局にハガキを書いていた。
疲れて眠る真生の部屋に啓吾。ハガキを見て、心を揺らす啓吾はコンサートのチケットを置き部屋を出る。その啓吾を真生が追いかけてきた。息を切らす真生に、啓吾はアメリカに行くことを告げ、「もう自分にはかまうな。迷惑だ」と突き離す。啓吾の言葉が信じられない真生。立ち去る啓吾を真生は無言で、見送るだけだった。
啓吾は真生が自分の中で、大切な存在になっているのに「迷惑だ」と言った自分が信じられなかった。そんな啓吾に、追い討ちをかけるように最後のコンサートが中止になった知らせが入る。やはりスキャンダルのせいだった。
アメリカに行く準備に専念する啓吾が思い起こすのは、真生のことばかり。啓吾が、ふらりと訪れた、誰もいないはずのコンサート会場に─────。
<第8回> 「お前を死なせない」
中止になったコンサート会場に、一人いた真生(深田恭子)を強く抱き締める啓吾(金城武)。二人だけの時間が流れ、真生に力が蘇ってきた。
しかし、やはり真生は高校生。家に帰りつくと死の恐怖から逃れようと母、弥栄子(田中好子)に抱きつくのだった。そのころ啓吾も自宅で、死を前にしたリサ(宮沢リエ)に何もしてやれなかった自分を思い出していた。真生に何がしてやれるのか、迷いもある啓吾だった。
啓吾にニューヨークで仕事があるという知らせが入った。先方は急いでいるらしい。決断を迫られる啓吾だが、煮え切らない。カヲル(仲間由紀恵)も「どうして」と、啓吾をなじるが、啓吾は真生のことが気掛かりだったのだ。
真生には、発病を遅らせる薬がなかなか見つからなかった。医師平塚(伊佐山ひろ子)も焦るがどうしようもない。真生はHIVを感染させた野口(永堀剛敏)に会い、いつしか野口を励ましていた。啓吾への愛が真生に力を与えていた。今度こそ副作用のない薬であるようにと、祈りながら、真生は新しい薬を試す。
最愛の人だったリサの死。今、自分に救いを求めている真生。気持ちが整理できないまま、啓吾は渡米の手続きを進めていた。そんな啓吾とリサの関係を、啓吾を訪ねた真生は、カヲルから聞く。飛び出して行く真生を追ってきた啓吾の腕のなかで真生は気分が悪くなる。最後の望みだった薬も真生に効かなかった。
薬が効果がなかったことに弥栄子のショックも大きかった。その気持ちを紛らわそうと弥栄子は、別れた恋人の浩之(竹下宏太郎)を訪ねてしまい、その上、浩之に送られ帰宅するところを、家を出た義郎(平田満)に、たまたま目撃されてしまう。真生のHIV感染のせいで、塾に行けなくなった悟(佐々木和徳)。叶野家は崩壊寸前だった。
カヲルが、真生に傾く気持ちを押しとどめ、アメリカ行きを決断させようと、啓吾の部屋で自殺未遂事件を起こす。そのせいもあり、渡米を決意した啓吾は、真生を訪ねた。「優しくしないで、辛いから」という真生に啓吾は何も言えない。ただアメリカへ行くとだけ言い去ろうとする啓吾に真生は「会えて楽しかったよ」と、悲しみをこらえながら話すのだった。
そして、啓吾の渡米の日がやって来た。
<第9回>「運命が愛を踏みにじる」
成田から引き返してた啓吾(金城武)は、真生(深田恭子)を追って「アメリカに一緒に行こう」と告げた。啓吾の言葉は真生をこの上ない幸せにした。自宅に帰り弥栄子(田中好子)に、話すと「真生の幸せは私の幸せ」と弥栄子は真生を応援してくれた。
幸せいっぱいの真生は、街で見つけた、安物だがお互いのイニシャルの入ったペンダントを啓吾と交換し合う。そんな幸せ気分の中、真生は麻美(矢沢心)に出会った。啓吾を見てびっくりする麻美だが、真生に、スタイリストを目指しているとはっきり言う麻美。
真生は、父、義郎(平田満)を会社に訪ね、啓吾と一緒にアメリカに行く、と打ち明けた。無論、義郎はイエスとは言わない。一方、弥栄子は元恋人浩之(竹下宏太郎)から届いた新規開店のはがきを見て、辛い気持ちでいた。真生のHIV感染で、浩之との交際を諦めた弥栄子。真生は弥栄子の表情から何か察し、弥栄子を励ます。
啓吾のアメリカ行きは、真生のHIV感染のため難しい問題があった。スキャンダルを気にする音楽関係者、感染者に部屋を貸し渋る不動産業者。治療のための病院探しなど……。その逆風のなか、真生を大切に思う啓吾は戦う。
「愛一直線。お前らしい」と、イサム(加藤晴彦)にも励まされる真生はうれしい。義郎が自宅に戻って来た。義郎は、真生のアメリカ行きを承服できなかったが、父親の役割を果たせなかった自分を深く反省していた。父を誘い真生は久々に河原を散歩した。真生は、その無力さを率直に語る義郎に、心を動かされる。
家に戻ると啓吾がいた。自分らしい仕事がしたいと宣言した麻美、悟(佐々木和徳)には、自分で決めたら東大頑張れといった自分、そのうえ父、義郎の気持ちにも触れ、自分らしさを見つけようと思う真生は、アメリカに行かないと啓吾に言う。戸惑う啓吾だが、真生には、部屋探しなどの障害については話さず「(成田で)待っている。気持ちが変わったら」と言い残し、去って行った。
義郎は、考えあぐねた末、子ども達の前で、それぞれ正しいと考えた道を歩むべきだと、弥栄子との離婚を語る。真生にも体だけは大切にしてほしいと涙ながらに話す義郎。弥栄子も涙が止まらない。その両親の励ましに、真生は、再び啓吾と一緒にアメリカに行く決意を固め、空港に行く。そこにはカヲル(仲間由紀恵)がいた・・・。
