人が運命を変えようとするのは、なぜだろうか?
それは―――幸せが欲しいから。
運命を、運命に逆らってまで欲しい。
運命はそう決まっていたから。
僕らは幸せのために運命の流れにも乗った、とも言える。
逆に言えば幸せのために運命に逆らった、とも言える。
しかし、逆らうも何も僕らにはなかった。
人生も運命も最初からなんて決められていない。
その時その時がパズルのピースのように組み立てられていって、
自分が死ぬときにようやく完成するのだと。
そう…それが運命。
最初からあるものなんかじゃない。
『幸せが欲しいと思った。
それを手にするには自分から動かなきゃいけない。
幸せは自分で手にするものだから。待っていても何も起こらないから』
僕らは運命に逆らう必要なんてない。
自分から動いていけばそれでいいんだ。
それで幸せを得ることができる。
運命とはたった一つの言葉。
それは人々の行く末を見つめている…。
雪景色
銀色の雪が地を覆う
『冬』という季節は好きだ
なにせ、真っ白な雪が赤い血をよく魅せてくれるから
あれはいつかの寒い日
朝から雪が深々と降り、世界が色を消し、音も消した
何故だか、その怖いほど無垢の世界に出たくなった
雪は音もなく地に堕ちる
雪は色を知らず地に舞う
それがとても可哀相で、寂しそうだった
こうしてすっかり銀世界に迷い込んでしまった
その場から動こうともせず、ただただ空を見つめた
――雪の日の空は綺麗じゃない――
と、思った
重い、灰色をしている気がした
雪はあんなにも軽いのに
空はいつもより憂鬱そうだった
ふと、世界が色と音を知りたがっている気がした
昔から、欲望の塊であるこの世界は自らの願いを叶えるためならば
どんな手でも使ってきた
好きなだけ犠牲を出し、好きなだけ裏切りをし
そうして今日までやってきた
――あぁ、また『生贄』を欲しがっている――
無垢の世界に魅せられた者の宿命か
素直に受け入れてしまったのは何故だろう
やはり、この世界には闇が潜む
今も昔も、そして未来も…―――
無垢の雪が地を覆う
『冬』という季節は好きだ
真っ白な雪が赤い血をよく魅せてくれるから
無音の雪が残酷な音を響かせてくれるから
『生贄』が美しく舞台で輝ける
そんな場所だから
あぁ、赤が見える 綺麗な白が目に痛いように、赤が目にしみる…
仮面
貴方は私を望んじゃいない。
「私」は笑う。
何時だって。
笑顔。笑顔。…笑顔。
それは貴方が望むから。
作った「私」でいれば良い。
笑顔。笑顔。…笑顔。
「私」は都合の良いように使われ、
捨てられていく。
まるで蝋人形。
捨てられても決して笑顔は絶やさない。
笑っていればまた
「違う人」に拾われるって知っているから。
笑顔。笑顔。…笑顔。
どうせ便利屋位にしか
思っていないのでしょう?
どうせ「私」しか
見ていないのでしょう?
だから私も「私」のまま。
笑顔。笑顔。…笑顔。
貴方の望んだ姿のまま。
笑顔。笑顔。…笑顔。
