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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

1.①「アモーレ情熱」についての説明として、正しいのはどれか。


  わたしたちは、この世に生を受けてから一生を終えるまで、毎日さまざまなモチベーションをもったり失ったりを繰り返すわけですが、それらは二つのタイプにわかれます。「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
  まず、「内発的動機づけ」ですが、これは活動そのものを目的としたモチベーションです。活動そのものが目的ということは、つまりは、それをするのがおもしろいから、好きだから、興味があるから、あるいはそれによってよろこびや満足感が得られるからするんだという場合です。本人にとって、活動そのものに価値がある。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるモチベーションなので、「内発的」という語がつかわれています。
  私は内発的動機づけのことを、ニックネームで①「アモーレ情熱」と呼んでいます。「アモーレ」はイタリア語で「愛」です。つまり、アモーレ情熱は「好きだからそれをするんだという純粋な情熱」です。
  一方、「外発的動機づけ」は、活動そのものではなく、活動の結果として得られるなにかを目的とするモチベーションです。
  それをするとお金やものなどの物的報酬が得られる。あるいは、名誉、名声、虚栄心などの心的報酬が得られる。そういったことが目的になっている場合です。人からほめられるというのも、この心的報酬にふくまれます。ほめられていやな場合もありますから、そういう場合は別ですが、本人にとっての価値は活動そのものにあるのではなく、その結果にあります。活動はそういった結果を得るための「手段」あるいは「道具」にすぎません。つまり、「自己目的活動」との対比でいえば、「道具的活動」です。したがって、外発的動機づけとは、道具的活動へのモチベーションであるということもできます。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるのではなく、物的報酬や心的報酬の魅力にひっぼられて生ずるものなので、「外発的」という語がついています。外部にそういった「誘因」(インセンティヴ)が存在しているあいだは、活動を実行しようとするモチベーションが生じますが、誘因がなくなればモチベーションもなくなります。この点が、外発的動機づけの最大の特徴です。
  こちらのほうのニックネームは③「ギリチョコ情熱」です。バレンタインデーに好きな人にチョコレートをプレゼントする。好きでない人にもつき合いの都合上、義理であげるのがギリチョコ。プレゼントしたいという純粋な気持ちからではなく、友好的な関係を保つためといった別のねらいがあってのプレゼントです。そのねらいというのが存在しなくなれば、すぐにでもやめてしまうのが特徴です。
  ④仕事はどうでしょうか。仕事を百パーセントアモーレ情熱にもとづいてやっているという人は、多分ごく少数でしょうね。お金も名誉も関係ない、そういったものがまったく得られなくてもいい、ただこの仕事をやっているだけでわたしは満足だ――などという幸運な人はまれにしかいないと思います。
  逆に仕事に関しては百パーセントギリチョコ情熱だという人は、けっこういるかもしれない。完全にお金のため、お金さえどこかから手に入るんなら、さっさとこんな仕事はやめてしまいたいという場合です。でも、なんのよろこびも愛着も感じられない仕事を毎日毎日続けなければならないとしたら、これは不幸というものです。

                                               (伊藤進『ほめるな』による)

  • 1 、1、好きなことをやることで得られる喜びや満足感を「アモーレ情熱」と呼ぶ。

  • 2 、2、「アモーレ情熱」は自発的に何かの活動に参加するときの最大な動機である。

  • 3 、3、活動そのものにやりがいを感じ、その内発的な動機が「アモーレ情熱」である。

  • 4 、4、達成感・充実感を感じられる仕事に携わるときに、「アモーレ情熱」が出てくる。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

2.②「『自己目的活動』との対比でいえば、『道具的活動』」とあるが、筆者は「自己目的活動」と「道具活動」について、どう述べているか。


  わたしたちは、この世に生を受けてから一生を終えるまで、毎日さまざまなモチベーションをもったり失ったりを繰り返すわけですが、それらは二つのタイプにわかれます。「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
  まず、「内発的動機づけ」ですが、これは活動そのものを目的としたモチベーションです。活動そのものが目的ということは、つまりは、それをするのがおもしろいから、好きだから、興味があるから、あるいはそれによってよろこびや満足感が得られるからするんだという場合です。本人にとって、活動そのものに価値がある。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるモチベーションなので、「内発的」という語がつかわれています。
  私は内発的動機づけのことを、ニックネームで①「アモーレ情熱」と呼んでいます。「アモーレ」はイタリア語で「愛」です。つまり、アモーレ情熱は「好きだからそれをするんだという純粋な情熱」です。
  一方、「外発的動機づけ」は、活動そのものではなく、活動の結果として得られるなにかを目的とするモチベーションです。
  それをするとお金やものなどの物的報酬が得られる。あるいは、名誉、名声、虚栄心などの心的報酬が得られる。そういったことが目的になっている場合です。人からほめられるというのも、この心的報酬にふくまれます。ほめられていやな場合もありますから、そういう場合は別ですが、本人にとっての価値は活動そのものにあるのではなく、その結果にあります。活動はそういった結果を得るための「手段」あるいは「道具」にすぎません。つまり、「自己目的活動」との対比でいえば、「道具的活動」です。したがって、外発的動機づけとは、道具的活動へのモチベーションであるということもできます。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるのではなく、物的報酬や心的報酬の魅力にひっぼられて生ずるものなので、「外発的」という語がついています。外部にそういった「誘因」(インセンティヴ)が存在しているあいだは、活動を実行しようとするモチベーションが生じますが、誘因がなくなればモチベーションもなくなります。この点が、外発的動機づけの最大の特徴です。
  こちらのほうのニックネームは③「ギリチョコ情熱」です。バレンタインデーに好きな人にチョコレートをプレゼントする。好きでない人にもつき合いの都合上、義理であげるのがギリチョコ。プレゼントしたいという純粋な気持ちからではなく、友好的な関係を保つためといった別のねらいがあってのプレゼントです。そのねらいというのが存在しなくなれば、すぐにでもやめてしまうのが特徴です。
  ④仕事はどうでしょうか。仕事を百パーセントアモーレ情熱にもとづいてやっているという人は、多分ごく少数でしょうね。お金も名誉も関係ない、そういったものがまったく得られなくてもいい、ただこの仕事をやっているだけでわたしは満足だ――などという幸運な人はまれにしかいないと思います。
  逆に仕事に関しては百パーセントギリチョコ情熱だという人は、けっこういるかもしれない。完全にお金のため、お金さえどこかから手に入るんなら、さっさとこんな仕事はやめてしまいたいという場合です。でも、なんのよろこびも愛着も感じられない仕事を毎日毎日続けなければならないとしたら、これは不幸というものです。

                                               (伊藤進『ほめるな』による)

  • 1 、1、「自己目的活動」は本人が心的報酬を得るのが目的なのに対し、「道具活動」は物的報酬の獲得を目標としている。

  • 2 、2、「自己目的活動」は本人の価値を実現するのがモチベーションであるのに対し、「道具活動」は外発動機付けによるものだ。

  • 3 、3、「自己目的活動」は個人の名誉、名声、虚栄心を重んじるのに対し、「道具活動」は結果を得るための「手段」や「道具」を重視する。

  • 4 、4、「自己目的活動」は活動自身が本人にとって最大な価値であるのに対し、「道具活動」は活動が外的報酬を得るための「道具」である。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

3.筆者によれば、③「ギリチョコ情熱」の特徴は何か。


  わたしたちは、この世に生を受けてから一生を終えるまで、毎日さまざまなモチベーションをもったり失ったりを繰り返すわけですが、それらは二つのタイプにわかれます。「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
  まず、「内発的動機づけ」ですが、これは活動そのものを目的としたモチベーションです。活動そのものが目的ということは、つまりは、それをするのがおもしろいから、好きだから、興味があるから、あるいはそれによってよろこびや満足感が得られるからするんだという場合です。本人にとって、活動そのものに価値がある。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるモチベーションなので、「内発的」という語がつかわれています。
  私は内発的動機づけのことを、ニックネームで①「アモーレ情熱」と呼んでいます。「アモーレ」はイタリア語で「愛」です。つまり、アモーレ情熱は「好きだからそれをするんだという純粋な情熱」です。
  一方、「外発的動機づけ」は、活動そのものではなく、活動の結果として得られるなにかを目的とするモチベーションです。
  それをするとお金やものなどの物的報酬が得られる。あるいは、名誉、名声、虚栄心などの心的報酬が得られる。そういったことが目的になっている場合です。人からほめられるというのも、この心的報酬にふくまれます。ほめられていやな場合もありますから、そういう場合は別ですが、本人にとっての価値は活動そのものにあるのではなく、その結果にあります。活動はそういった結果を得るための「手段」あるいは「道具」にすぎません。つまり、「自己目的活動」との対比でいえば、「道具的活動」です。したがって、外発的動機づけとは、道具的活動へのモチベーションであるということもできます。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるのではなく、物的報酬や心的報酬の魅力にひっぼられて生ずるものなので、「外発的」という語がついています。外部にそういった「誘因」(インセンティヴ)が存在しているあいだは、活動を実行しようとするモチベーションが生じますが、誘因がなくなればモチベーションもなくなります。この点が、外発的動機づけの最大の特徴です。
  こちらのほうのニックネームは③「ギリチョコ情熱」です。バレンタインデーに好きな人にチョコレートをプレゼントする。好きでない人にもつき合いの都合上、義理であげるのがギリチョコ。プレゼントしたいという純粋な気持ちからではなく、友好的な関係を保つためといった別のねらいがあってのプレゼントです。そのねらいというのが存在しなくなれば、すぐにでもやめてしまうのが特徴です。
  ④仕事はどうでしょうか。仕事を百パーセントアモーレ情熱にもとづいてやっているという人は、多分ごく少数でしょうね。お金も名誉も関係ない、そういったものがまったく得られなくてもいい、ただこの仕事をやっているだけでわたしは満足だ――などという幸運な人はまれにしかいないと思います。
  逆に仕事に関しては百パーセントギリチョコ情熱だという人は、けっこういるかもしれない。完全にお金のため、お金さえどこかから手に入るんなら、さっさとこんな仕事はやめてしまいたいという場合です。でも、なんのよろこびも愛着も感じられない仕事を毎日毎日続けなければならないとしたら、これは不幸というものです。

                                               (伊藤進『ほめるな』による)

  • 1 、1、他人との友好関係を保つために、チョコレートを贈ること

  • 2 、2、外発的な誘因がある期間内にモチベーションが機能すること

  • 3 、3、物的報酬が主な目的であり、それがなくなればすぐやめること

  • 4 、4、人情や義理などを考え、人間関係をうまく保つようにすること

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

4.筆者は④「仕事」に対して、どう考えているか。


  わたしたちは、この世に生を受けてから一生を終えるまで、毎日さまざまなモチベーションをもったり失ったりを繰り返すわけですが、それらは二つのタイプにわかれます。「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。
  まず、「内発的動機づけ」ですが、これは活動そのものを目的としたモチベーションです。活動そのものが目的ということは、つまりは、それをするのがおもしろいから、好きだから、興味があるから、あるいはそれによってよろこびや満足感が得られるからするんだという場合です。本人にとって、活動そのものに価値がある。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるモチベーションなので、「内発的」という語がつかわれています。
  私は内発的動機づけのことを、ニックネームで①「アモーレ情熱」と呼んでいます。「アモーレ」はイタリア語で「愛」です。つまり、アモーレ情熱は「好きだからそれをするんだという純粋な情熱」です。
  一方、「外発的動機づけ」は、活動そのものではなく、活動の結果として得られるなにかを目的とするモチベーションです。
  それをするとお金やものなどの物的報酬が得られる。あるいは、名誉、名声、虚栄心などの心的報酬が得られる。そういったことが目的になっている場合です。人からほめられるというのも、この心的報酬にふくまれます。ほめられていやな場合もありますから、そういう場合は別ですが、本人にとっての価値は活動そのものにあるのではなく、その結果にあります。活動はそういった結果を得るための「手段」あるいは「道具」にすぎません。つまり、「自己目的活動」との対比でいえば、「道具的活動」です。したがって、外発的動機づけとは、道具的活動へのモチベーションであるということもできます。
  このタイプのモチベーションは、本人の内部からわきあがってくるのではなく、物的報酬や心的報酬の魅力にひっぼられて生ずるものなので、「外発的」という語がついています。外部にそういった「誘因」(インセンティヴ)が存在しているあいだは、活動を実行しようとするモチベーションが生じますが、誘因がなくなればモチベーションもなくなります。この点が、外発的動機づけの最大の特徴です。
  こちらのほうのニックネームは③「ギリチョコ情熱」です。バレンタインデーに好きな人にチョコレートをプレゼントする。好きでない人にもつき合いの都合上、義理であげるのがギリチョコ。プレゼントしたいという純粋な気持ちからではなく、友好的な関係を保つためといった別のねらいがあってのプレゼントです。そのねらいというのが存在しなくなれば、すぐにでもやめてしまうのが特徴です。
  ④仕事はどうでしょうか。仕事を百パーセントアモーレ情熱にもとづいてやっているという人は、多分ごく少数でしょうね。お金も名誉も関係ない、そういったものがまったく得られなくてもいい、ただこの仕事をやっているだけでわたしは満足だ――などという幸運な人はまれにしかいないと思います。
  逆に仕事に関しては百パーセントギリチョコ情熱だという人は、けっこういるかもしれない。完全にお金のため、お金さえどこかから手に入るんなら、さっさとこんな仕事はやめてしまいたいという場合です。でも、なんのよろこびも愛着も感じられない仕事を毎日毎日続けなければならないとしたら、これは不幸というものです。

                                               (伊藤進『ほめるな』による)

  • 1 、1、アモーレ情熱で目の前の仕事に没頭することが必要だ。

  • 2 、2、仕事の結果で得られる物的報酬よりも、内的報酬を大事にすべきだ。

  • 3 、3、外発的な動機で仕事を続ける人が多いが、内発的動機付けも必要だ。

  • 4 、4、ギリチョコ情熱を利用して、仕事に対するモチベーションを最大限に刺激すべきだ。

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