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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

1.①「あなたはただの人だというべきです」とあるが、ここで筆者が言いたいことは何か。


ナンバーワンよりオンリーワン、世界に一つだけの花だというような言い方が支持を得るのは戦後教育の賜物でしょうか。しかし、若い人にはこの逆を言ってあげないと救われないと思っています。

あなたはただの人だというべきです。それを自覚して社会に空いている穴を埋めろ。そうすると幾ばくかの金がもらえる。その人が埋められる穴もあるけれども、埋められない穴が世の中には幾らでもあります。埋めたい穴と埋められる穴は別のこともあります。埋めているうちに、穴を間違えたことに気づくということも十分あり得る。

そのときには転職をしてもいい。だけど辛抱してみなければ本当に間違っているかどうかはわからない。その穴が合っているかどうかも、そんなことは自分で判断することじゃないんだよというべきです。向いているかどうかを判断するのは他人です。そのために上役がいる。

努力すれば夢はかなうと上、う幻想も、相当に根強いようです。本当は「努力すれば」ではありません。そういうことをいうとすれば②「宝くじは買わなければ当たらないというべきです。買わない宝くじが当たると思ったら駄目です。

何かになりたいのならば、やってみなければ駄目ですし、あきらめた段階で駄目になります。でも、あきらめるのは別に悪いことではありません。向き不向きは他人のほうがよく見えていることがあるというのは憶えておいたほうがいいと思います。「合わないと恩うんですけど、やめてもいいでしょうか」と聞いてもいいのです。

「これだけ一生懸命やっているんだから、もうちょっと辛抱しなさい」と大抵は言われます。それでその通りにしていればいいのです。ただしその場合でも「あの人が言ったから我慢していてやったんだ」と責任を他人に被せるのは間違いです。

そこで選ぶのは、もちろん自分なのですから。

もちろん、だれのものでもない仕事というのは世の中にたくさんあります。結局本気で働いているうちにそちらへ流されていくものなのです。それを最初から、自分はこれだ、オンリーワンの個性を発揮するのだと言っても無理な話です。

ある一つのことを真面目にやっていると、何だかわからないけど穴のほうへ穴のほうへ押しやられるようなことがあるのです。ただし、社会の穴を埋めるのにやはり時期というものが大きな要素として関係してきます。(中略)

いかに自分でこの穴を埋めるのは今だと思っていても、自分が見落としている要素もある。むしろ実際には人間は見落としている要素だらけです。結局、それが非常に大きいうちは、当たり前の話も通らない。

ところが時期が来ると、これがすんなり通るようになるのです。歴史を見れば例はいくらでもあります。

しかし、時を中心に考えれば、本当に大切なのは先見性ではなく普遍性なのです、その人が普遍性を持っていたらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのだと思います。無理やり新奇なことをやろうとするのではなく、できるだけ普遍性を目指したほうが、結果的に先取りになっていることがある。

(養老孟司『超バカの壁』による)

  • 1 、1、ただの人であればこそ、できないことがあってもしかたがない。

  • 2 、2、ただの人であればこそ、自分にしかできない仕事がきっとある。

  • 3 、3、ただの人にすぎないから、社会の穴を埋められるわけがない。

  • 4 、4、ただの人にすぎないから、社会に空いている穴を埋めればよい。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

2. ②「宝くじは買わなければ当たらない」とあるが、それはどういうことか。


ナンバーワンよりオンリーワン、世界に一つだけの花だというような言い方が支持を得るのは戦後教育の賜物でしょうか。しかし、若い人にはこの逆を言ってあげないと救われないと思っています。

あなたはただの人だというべきです。それを自覚して社会に空いている穴を埋めろ。そうすると幾ばくかの金がもらえる。その人が埋められる穴もあるけれども、埋められない穴が世の中には幾らでもあります。埋めたい穴と埋められる穴は別のこともあります。埋めているうちに、穴を間違えたことに気づくということも十分あり得る。

そのときには転職をしてもいい。だけど辛抱してみなければ本当に間違っているかどうかはわからない。その穴が合っているかどうかも、そんなことは自分で判断することじゃないんだよというべきです。向いているかどうかを判断するのは他人です。そのために上役がいる。

努力すれば夢はかなうと上、う幻想も、相当に根強いようです。本当は「努力すれば」ではありません。そういうことをいうとすれば②「宝くじは買わなければ当たらないというべきです。買わない宝くじが当たると思ったら駄目です。

何かになりたいのならば、やってみなければ駄目ですし、あきらめた段階で駄目になります。でも、あきらめるのは別に悪いことではありません。向き不向きは他人のほうがよく見えていることがあるというのは憶えておいたほうがいいと思います。「合わないと恩うんですけど、やめてもいいでしょうか」と聞いてもいいのです。

「これだけ一生懸命やっているんだから、もうちょっと辛抱しなさい」と大抵は言われます。それでその通りにしていればいいのです。ただしその場合でも「あの人が言ったから我慢していてやったんだ」と責任を他人に被せるのは間違いです。

そこで選ぶのは、もちろん自分なのですから。

もちろん、だれのものでもない仕事というのは世の中にたくさんあります。結局本気で働いているうちにそちらへ流されていくものなのです。それを最初から、自分はこれだ、オンリーワンの個性を発揮するのだと言っても無理な話です。

ある一つのことを真面目にやっていると、何だかわからないけど穴のほうへ穴のほうへ押しやられるようなことがあるのです。ただし、社会の穴を埋めるのにやはり時期というものが大きな要素として関係してきます。(中略)

いかに自分でこの穴を埋めるのは今だと思っていても、自分が見落としている要素もある。むしろ実際には人間は見落としている要素だらけです。結局、それが非常に大きいうちは、当たり前の話も通らない。

ところが時期が来ると、これがすんなり通るようになるのです。歴史を見れば例はいくらでもあります。

しかし、時を中心に考えれば、本当に大切なのは先見性ではなく普遍性なのです、その人が普遍性を持っていたらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのだと思います。無理やり新奇なことをやろうとするのではなく、できるだけ普遍性を目指したほうが、結果的に先取りになっていることがある。

(養老孟司『超バカの壁』による)

  • 1 、1、今やっている仕事に向いているかどうかは他人に聞いてみなければわからない。

  • 2 、2、自分に不向きな仕事を我慢してやり続けても、成功する見込みはない。

  • 3 、3、やりたいことにチャレンジしてみなければ、成功の可能性も何もない。

  • 4 、4、努力すればできるはずのこともあきらめてしまえば、ただの幻想になる。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

3.③「だれのものでもない仕事」とあるが、その説明として最も適切なのはどれか。


ナンバーワンよりオンリーワン、世界に一つだけの花だというような言い方が支持を得るのは戦後教育の賜物でしょうか。しかし、若い人にはこの逆を言ってあげないと救われないと思っています。

あなたはただの人だというべきです。それを自覚して社会に空いている穴を埋めろ。そうすると幾ばくかの金がもらえる。その人が埋められる穴もあるけれども、埋められない穴が世の中には幾らでもあります。埋めたい穴と埋められる穴は別のこともあります。埋めているうちに、穴を間違えたことに気づくということも十分あり得る。

そのときには転職をしてもいい。だけど辛抱してみなければ本当に間違っているかどうかはわからない。その穴が合っているかどうかも、そんなことは自分で判断することじゃないんだよというべきです。向いているかどうかを判断するのは他人です。そのために上役がいる。

努力すれば夢はかなうと上、う幻想も、相当に根強いようです。本当は「努力すれば」ではありません。そういうことをいうとすれば②「宝くじは買わなければ当たらないというべきです。買わない宝くじが当たると思ったら駄目です。

何かになりたいのならば、やってみなければ駄目ですし、あきらめた段階で駄目になります。でも、あきらめるのは別に悪いことではありません。向き不向きは他人のほうがよく見えていることがあるというのは憶えておいたほうがいいと思います。「合わないと恩うんですけど、やめてもいいでしょうか」と聞いてもいいのです。

「これだけ一生懸命やっているんだから、もうちょっと辛抱しなさい」と大抵は言われます。それでその通りにしていればいいのです。ただしその場合でも「あの人が言ったから我慢していてやったんだ」と責任を他人に被せるのは間違いです。

そこで選ぶのは、もちろん自分なのですから。

もちろん、だれのものでもない仕事というのは世の中にたくさんあります。結局本気で働いているうちにそちらへ流されていくものなのです。それを最初から、自分はこれだ、オンリーワンの個性を発揮するのだと言っても無理な話です。

ある一つのことを真面目にやっていると、何だかわからないけど穴のほうへ穴のほうへ押しやられるようなことがあるのです。ただし、社会の穴を埋めるのにやはり時期というものが大きな要素として関係してきます。(中略)

いかに自分でこの穴を埋めるのは今だと思っていても、自分が見落としている要素もある。むしろ実際には人間は見落としている要素だらけです。結局、それが非常に大きいうちは、当たり前の話も通らない。

ところが時期が来ると、これがすんなり通るようになるのです。歴史を見れば例はいくらでもあります。

しかし、時を中心に考えれば、本当に大切なのは先見性ではなく普遍性なのです、その人が普遍性を持っていたらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのだと思います。無理やり新奇なことをやろうとするのではなく、できるだけ普遍性を目指したほうが、結果的に先取りになっていることがある。

(養老孟司『超バカの壁』による)

  • 1 、1、最初はなじみのない仕事でも、かかわっているうちに自分のほうに向いてくる。

  • 2 、2、世の中には、他人と協力して行わなければ完成できない仕事がたくさんある。

  • 3 、3、自分の実力以上の仕事でも一生懸命やっていると、だんだんこなせるようになる。

  • 4 、4、個性を発揮してやれば、誰のものでもない仕事も自分のものになってしまう。

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問題
次の文章を読んで、後問いに対する答えとして最もよいものを、 1.2.3.4から一つ選びなさい。

 

4.文章の中の「埋めたい穴」と「埋められる穴」は何を指すか。


ナンバーワンよりオンリーワン、世界に一つだけの花だというような言い方が支持を得るのは戦後教育の賜物でしょうか。しかし、若い人にはこの逆を言ってあげないと救われないと思っています。

あなたはただの人だというべきです。それを自覚して社会に空いている穴を埋めろ。そうすると幾ばくかの金がもらえる。その人が埋められる穴もあるけれども、埋められない穴が世の中には幾らでもあります。埋めたい穴と埋められる穴は別のこともあります。埋めているうちに、穴を間違えたことに気づくということも十分あり得る。

そのときには転職をしてもいい。だけど辛抱してみなければ本当に間違っているかどうかはわからない。その穴が合っているかどうかも、そんなことは自分で判断することじゃないんだよというべきです。向いているかどうかを判断するのは他人です。そのために上役がいる。

努力すれば夢はかなうと上、う幻想も、相当に根強いようです。本当は「努力すれば」ではありません。そういうことをいうとすれば②「宝くじは買わなければ当たらないというべきです。買わない宝くじが当たると思ったら駄目です。

何かになりたいのならば、やってみなければ駄目ですし、あきらめた段階で駄目になります。でも、あきらめるのは別に悪いことではありません。向き不向きは他人のほうがよく見えていることがあるというのは憶えておいたほうがいいと思います。「合わないと恩うんですけど、やめてもいいでしょうか」と聞いてもいいのです。

「これだけ一生懸命やっているんだから、もうちょっと辛抱しなさい」と大抵は言われます。それでその通りにしていればいいのです。ただしその場合でも「あの人が言ったから我慢していてやったんだ」と責任を他人に被せるのは間違いです。

そこで選ぶのは、もちろん自分なのですから。

もちろん、だれのものでもない仕事というのは世の中にたくさんあります。結局本気で働いているうちにそちらへ流されていくものなのです。それを最初から、自分はこれだ、オンリーワンの個性を発揮するのだと言っても無理な話です。

ある一つのことを真面目にやっていると、何だかわからないけど穴のほうへ穴のほうへ押しやられるようなことがあるのです。ただし、社会の穴を埋めるのにやはり時期というものが大きな要素として関係してきます。(中略)

いかに自分でこの穴を埋めるのは今だと思っていても、自分が見落としている要素もある。むしろ実際には人間は見落としている要素だらけです。結局、それが非常に大きいうちは、当たり前の話も通らない。

ところが時期が来ると、これがすんなり通るようになるのです。歴史を見れば例はいくらでもあります。

しかし、時を中心に考えれば、本当に大切なのは先見性ではなく普遍性なのです、その人が普遍性を持っていたらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのだと思います。無理やり新奇なことをやろうとするのではなく、できるだけ普遍性を目指したほうが、結果的に先取りになっていることがある。

(養老孟司『超バカの壁』による)

  • 1 、1、「ナンバーワンの仕事」と「オンリーワンの仕事」

  • 2 、2、「自分がやりたいと思う仕事」と「実際自分にできる仕事」

  • 3 、3、「先見性を持ちたいと思うこと」と「普遍性を持っていること」

  • 4 、4、「自分の個性を発揮すること」と「現在一生懸命に頑張ること」

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